次々に届く迷惑メール。メッセージルールや「送信者を禁止する」なんかではキリがありません。最近のspamメール業者の手口は詐欺レベルです。メールアドレスを変えたり高機能なメールソフトに乗り換えたりすることなく、いつも使っているOutlook Expressに迷惑メール対策機能を手軽に追加するフリーソフト「SPAMfighter」を紹介します。 <%image(freesoft/20060225-spamfighter01.gif|507|242|)%> SPAMfighter。スパムファイターと読みます。Outlook ExpressおよびOutlookの機能の一部として動作し、ツールバーなどが追加されます。個人が利用する用途に限り無料で利用できるフリーソフト。この種のソフトによくある「pop3・受信サーバ設定を127.0.0.1に変更」といった手間もなく、インストールするだけですぐに使えるようになります。ベイズ方式の迷惑メール対策ソフトと違って、トレーニング作業も不要です。 <%image(freesoft/20060225-spamfighter.gif|498|173|)%> 迷惑メールとして自動的に振り分けられたメールの一例。日本語の迷惑メールもちゃんと判別できてます。英語spamしか判別できないフィルターサービスも多いことを考えると、十分に実用です。 このソフトはベイズ方式ではなく、基本的にブラックリスト方式です。そのブラックリストはオンラインで提供され、瞬間瞬間で最新のものに更新されています。仕組みの詳細は後述します。ブラックリスト方式は迷惑メール対策としては原始的な方式ですが、それでもここまでできる!という好例です。要は、ブラックリストの構築の手法が重要です。情報を上手に集めることができればいいわけです。SPAMfighterの収集方法はまだ改善の余地があるかもしれませんが、今のところそこそこ信用できる情報を構築できていると思います。 対応メールクライアントはOE(Outlook Express)とOutlook。Outlookならスパムベイズ(SpamBayes)のほうがいいような気がするので、SPAMfighterをあえてオススメできるのはOEユーザです。知り合いのOutlook Expressユーザで大量の迷惑メールに困っている人がいれば代わりにインストールしてあげてください。 Outlookユーザでも、ベイズフィルターのトレーニングが何のことかよく分からん!という人にはSPAMfighterがいいと思います。でもSpamBayesのトレーニングは簡単なほうだと思うので、Outlookユーザならまずスパムベイズを試してみてほしいですけどね。 http://www.spamfighter.com/ まずココからソフトをダウンロードしインストールします。インストールの過程でユーザ登録を促されますので、メールアドレスと、パスワードを適当に登録します。 インストールが終わったら、Outlook Expressを起動してみてください。もうこの時点で、必要な設定はありません。「SPAMfighter」という名前のフォルダが追加されていると思います。ここに迷惑メールが集められます。判別が間違ってないか、よく確認して納得してください。 ブラックリスト方式のため、得意先や友人からのメールが迷惑メールとして処理されてしまうことはないと思います。このへん、ベイズ方式と比べて安心ポイントです。といっても、ベイズも方式によりけり。SpamBayesみたいに精度がかなり高いものもありますので(一発判定の能力はPOPFileが一番だと思いますが)。 迷惑メールではないのに迷惑メールとして処理されてしまうことがあるのは、たとえばLivedoor系のメールマガジン。Livedoorのメールマガジンって、ブログを開設している限りは解約できなかったりして、事実上、解約できないんですね。こういうメールマガジンは正規の手順による解約手続きができない迷惑メールと同じものと判断されたりするわけです。あと、Weeklyまぐまぐや5050、FreeMLとかもブラックリストに入れられやすいですね。ホワイトリストに登録すれば、これらのメルマガを確実に講読できます。 さて。判別の根拠は何かというと…SPAMfighterで提供されるブラックリストというのは、SPAMfighterのユーザ自身が提供する「迷惑メール報告」によるものです。SPAMfighterをインストールすると「ブラックリストに入れる」というようなボタンがOutlook Expressに追加されるのですが、これをクリックすると、選択されたメールがブラックリスト扱いとして自動的に申告される仕組みです。この情報が大量に収集されて、信頼度の高いブラックリストができあがります。Livedoorのメルマガやweeklyまぐまぐなんかは、そうやって「自由に解約させてくれない悪質な迷惑メール」として報告されてしまうケースがけっこうあるのだと思います。ブラックリストボタンをクリックするのは、よっぽど悪質な迷惑メールだけにしましょう。 そのようなケースを除けば、ほぼ大丈夫です。取引先や友人からの大事なメールを迷惑メールとして処理してしまうことはほとんどないはずです。というわけで、Outlook ExpressユーザにはSPAMfighterがオススメ。設定をじっくり確認したい人には英語UIがとっつきにくく感じられるかもしれませんが、基本的にインストールするだけなので、運用に際して困難を感じることはほとんどないと思います。Outlook Expressでじっくり設定をチューニングする人はほとんどいないと思うので(ここまで繰り返して言うとバカにしてるみたいだけど…)、実際には問題ないと思います。 ライブドアメルマガやWeeklyまぐまぐなどを確実に読みたい時は、ホワイトリストボタンをクリックすれば受信トレイに入るようになります。 ****アンインストール(削除)の仕方(2006年8月23日追記) 送信時に問答無用で追記される広告文が気になるため、フリーソフトとして使うぶんには最近はあまりおすすめしていません。いいソフトだと思うので、気に入れば入金してレジストするのもいいと思いますが。 SPAMFighterの削除の手順は以下のとおりです。通常のアプリ同様「プログラムの追加と削除」でアンインストールできるのですが、変更ボタンしかないため分かりにくく、途中で表示されるオプションも英語のため迷うと思います。以下に手順を示します。 <%image(freesoft/20060823-01.gif|474|105|)%> コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」でSPAMFighterを選択。「変更」ボタンをクリックする。 <%image(freesoft/20060823-02.gif|420|150|)%> 「Remove」を選択。これは「削除する」という意味です。 <%image(freesoft/20060823-03.gif|422|311|)%> 「Remove Personal Settings」にチェックを入れる。 <%image(freesoft/20060823-04.gif|300|266|)%> アンインストールの過程でこのようなページが表示されるが、無視して閉じてもかまわない。アンケートなので回答してもいいが、チェック内容によっては次回から毎回お知らせメールを送ってくるので注意。 <%image(freesoft/20060823-05.gif|350|268|)%> おつかれさまでした。。。 ****※2006年4月12日追記 SPAMfighterを組み込んだOutlook Expressからメールを送信する時、以下のような広告文が自動的に挿入されます。 > I am using the free version of SPAMfighter for private users. > It has removed 3864 spam emails to date. > Paying users do not have this message in their emails. > Try www.SPAMfighter.com for free now! メール作成時ではなく送信時にマージされるため気がつきにくい。この広告文の自動挿入をオフにする設定はできないみたいです。 <%image(freesoft/20060225-spamfighter01.gif|507|242|)%> Outlook Express用の迷惑メール対策ソフトといえば、コレ。SPAMfighter。無料で利用できます。手間がかからないのが特長。多少の漏れを気にしないなら、これが一番かも。仕組み上、シロをクロと判定してしまうような冤罪判定がほとんどないのも安心。