VNCで相手のパソコンを操作する場合、普通は接続先のIPアドレスを何らかの方法で調べる必要があります。また、接続先でルータを導入している場合はポート転送の設定(5800番・5900番)をしてもらう必要があります。しかしリッスンモードという接続方法を使うと、そのような手間がありません。以下に手順を説明します。
VNCをインストールしておく
まず、普通にVNCをインストールします。デファクトスタンダードであるRealVNCでもいいですが、サポート用途向けに各種の機能強化がされているUltr@VNCをここではおすすめします。チャット(※日本語対応版に差し替えないと文字が小さいので注意)やファイル転送の機能などがあり、何かと便利です。インストールしたら、スタートメニューをたどって「Run Ultr@VNC Viewer (Listen Mode)」を起動します。パソコン側の用意はこれで終わりです。
サポートを提供する側の設定は?
次に、サポートを提供する自分側の設定。ルータを使っている場合は(たぶん使ってますよね)ポート転送の設定が必要です。ルータの設定画面を開いて、5500番のポートを通すように設定してください。ついでに、グローバルIPアドレスもメモしておいてください。これで、こちら側の用意はすべて完了、待機状態です。
接続します。
さて次に、いよいよ相手先から接続してもらいます。リッスンモードは、相手先から接続してもらう仕組みです。まず普通にスタートメニューから、「Run Ultr@VNC SERVER」を実行してもらいます。するとタスクトレイにVNCのアイコンが表示されます。このアイコンを右クリックでメニューを表示し、「Add New Client」を実行します。すると「Initiate Outgoing Connection(Add New Client)というダイアログが表示されます。ここで「Host Name」に、操作する側である自分のパソコンのグローバルIPアドレスを入力してOKボタンをクリックしてもらいます。 すると、相手の画面がこちらに表示されます。相手がルータで接続していても問題なく表示されます。 今までIPアドレスだポート転送設定だと騒いでいたのがウソのようです。listen modeは最近実装されたものではなく何年も前からあった仕組みのようですが、少なくともWebで情報を漁る限りではあまり見かけない情報でした。
もっと簡単な方法
しかし。この手順でも、少しだけ面倒ですね。VNCサーバを起動してからタスクトレイのアイコンを右クリック、こちらのIPアドレスを入力してもらって…という流れ。相手がパソコン初心者なら「タスクトレイって何?」って言われそうだし。
[ helpme.vbs ] -----------------------
Dim WSHShell
Set WSHShell = WScript.CreateObject("WScript.Shell")
WSHShell.Run """C:\Program Files\UltraVNC\winvnc.exe"" -run"
WScript.Sleep 2000
WSHShell.Run """C:\Program Files\UltraVNC\winvnc.exe"" -connect xxx.xxx.xxx.xxx"
MsgBox "遠隔サポートを開始します。"
--------------------------------------
上記のようなVBSファイルを書いて、先にお渡ししておいてください。このVBSファイルをダブルクリックするだけで、確認ダイアログを表示したうえで接続できます。 以上が、listenモード接続の流れです。
さらに簡単な方法
ところで、利用するVNCをUltr@VNCに限定していいなら、もっと簡単な接続方法があります。なんと、VNCをインストールしてもらう必要すらありません。「UltraVNC SC」という、一種のカスタムVNCを利用する方法です。詳細はまた次回説明します。
手軽な方法
http://kyms.ne.jp/remote/item_72.html
UltraVNC SCの事前設定が面倒に感じられる場合は上記ツールを試してみてください。さすがにこれは簡単です。何度も利用する場合はSCに挑戦してみてください。
このような手順で接続します。手間がかかるのは通常方向の接続と同じですが、相手にそれをさせなくてすむためスムーズに接続できるはず。